あなたはわたしなんだね
青井葦人がサッカーをするとき、彼の中には母ちゃんと瞬兄の存在がある。
(「アオアシ」、アニメはまだ5話で、たまらなく面白くて漫画無料のところまで読んでしまった……。途中までしか読んでいないから、私の推測でもあるが。)
葦人がサッカーが大好きだということもあるが、彼は自分がサッカーをする理由の根本が母ちゃんと瞬兄であることを、すでに分かっているように思う。
何かを続けようとする人にはそういう存在がいるのだと思う。「もう辞めようか」と思った時、立ち止まらせてくれたり、前を向かせてくれるような人のことだ。
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「愛することとは、その人と一緒になりたいと思うことだ」というのであれば、人生100年時代の四分の一の時間を生きてきた私にとって、思い浮かぶのはただ一人だけである。
彼を見ながら私は「どうしてこの人と、別の人間なのだろう……」と思ってしまう。どうしても、彼が自分と違うとは思えない。
彼は若くして小さい頃からの夢を叶え、今は仕事として取り組んでいる。
私はバレエを仕事という、責任のついてまわるものにはしなかった(できなかった、とも言えるが)。それが自分なりの関わり方だから後悔などはない。むしろ、責任を背負っていたらどこかでバレエを辞めていたかもしれない。
「仕事」ならではの大変さはもちろんあるだろう。私にはそれを完全に理解することはできない。
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でも、小さい頃からただ一つのものを愛してきた、同志として。
自分なりの関わり方でそれに取り組んで、どうにかこうにか、今の今までそれを手放さないでいる。好きだけじゃ上手くいかないこともあるけれど、大人になっても、恥ずかしげもなくそれを「大好きだ」と言える瞬間もあるのだ。
そういった何かを、彼とは共有できている気がしている。幼い頃の彼から、知っていられて良かった。
心の支えになる恋人でも、最終防波堤のような家族でもない。ただの他人だ。本人は何にも考えてない(なさそうに見える)から、直接なんて言えたもんじゃない。
でも、あぁ、あなたはわたしなんだねーーと思えるのだ。向こうがどう思っているかなんて、知らないけれど。
彼がいるなら、いるから。私だってまだ踊っていていいんじゃないのかなーと思わせてくれるのだから。
<今日もプリエから 19>でした。
▼前回の「今日もプリエから」
20年以上続けてきたバレエのお稽古について、日記を綴ることにしました(エッセイスト・森下典子さんの『好日日記』に憧れて)。バレエについて書くことは、人生について書くこと。