ちゃちゃののほほんらいふ

ちゃちゃののほほんらいふ

嵐が通り過ぎるまで

 

よく覚えている。ちょうど一年前のことだ。

 

note.com

 

よしもとばななさんは相変わらず好きなのだけれど、ここで書かれている“坂元裕二さんの朗読劇”は、実は私も観に行ったのです。風間俊介さんと松岡茉優さんの「カラシニコフ不倫海峡」。

 

映画『花束みたいな恋をした』以来、坂元さんの作品に触れたくて。本になっているものがすごく良かったし、観るなら「不倫」がいいなーとも思っていまして。

 

キャストは松岡茉優さんが好きで、でも「この世は欲張っちゃいけないな〜」とも思っていた時期だったので、1公演だけ申し込むというまた綱渡りのような行為。

 

 

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そしたら、当たってしまったんですよね。なぜか。普通だったら絶対当たらないのに。(あ、やっぱり当たった、と思った自分もいましたが)

 

しかもめちゃくちゃいい席で…。前ブロックのど真ん中の席。キャストのファンの方だったらできるだけ前の方がいいのかもだけど、劇を楽しみたい私には、二人がちょうどよく見えるあそこがベストだったと思う。

 

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今このタイミングで、ばななさんがあの劇のことを書いてくださった。それで私もやっと、あの1年前のことを振り返れるようになってきたのだなと分かってきました。

 

そこで私は自分が動けないぶん、しみじみと、それぞれが才能を活かして生きていくことだけがこの世の花だな、と思ったのです。よけいなことはなにも考えなくていいんだ、と。

(noteの無料部分より引用)

 

私も、あの時はまっっっっっっったく動けない時期だった。何をするのも辛くて(なんならすごく辛いということも分かっていなかったかもしれない)、感覚が鈍りすぎていて、4月下旬なのに分厚いセーターとか着ていた。

 

嵐が通り過ぎるのを、ずぶ濡れになりながらただじっと耐えて、待って、やり過ごしていたような日々だった。感情が、心が、身体が動くようになっていったのは、あの劇を観てからだったと思う。

 

この後自分でちょっと自信をつけて、その直後に嵐が最後の大打撃を与えるけれど、1年後の私はなんとか復旧できるようになりましたよ。

 

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その人がその人であることだけが、人生でできることなんだと、これまでもいつも書いてきましたけれど、本気で思ったのです。

 

自分で自分を分かってあげられないと、結局それで自分を苦しめてしまうなと。何回自分のことを見失っているんだよ、と思います。

 

まあもちろん、いつも正しいものを選べなかったり間違える時もあるでしょうから、それならそこにいる時間はできるだけ短くする。自分をそこにいさせてやらない。

 

「自分が人生でできること」なんてまだ分からないけど。

 

だから少なくとも私は、仕事もバレエも辞める気ありませんよーー。って最近、自分に誓っているのです。

 

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朗読劇の主題歌だった諭吉佳作/menさんの「はなしかたのなか」もとっても良いです。坂元さんの物語の、一筋縄ではいかない、ジェットコースターが落ちる時みたいに胸をきゅんと掴んでくる感覚に似ているのです。

 

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