わたしたちはオオカミ
幅允孝さんが出演されていたテレビ「理想本箱」(理想的本箱)で紹介されていたし、サッカーも本も好きなので、読んでみた。
アビー・ワンバック著『わたしはオオカミ』。
なでしこジャパンがW杯で初優勝した2011年。そこで見た、アビーという選手を記憶している人も多いはず。
アビーが呼びかける「オオカミの群れ」はサッカーのチームメイトから、全世界の女性へと広がった。アビーからのメッセージが、一冊となって届く。
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新学期が始まって、私も新しい生活に。4月になると、ただ数字が変わっただけなのに多くのものが新しくなったように感じる。
スタジオも、いつもと同じようで、でも少し新しい。
社会人になって、土曜クラスに参加するようになった後輩もいる。しばらく休会していて、またお稽古を再開し始めた先輩もいる。自分の子供が小学校に入るなど、家族の状況が変わった人もいる。
でも、少し新しいスタジオになっても、中身は実は同じで変わらない。
私たちがやることは、ただ自分と向き合い、身体を動かし、仲間の踊りを見て、失敗したらちょっと笑って、やり直して、沢山汗をかいて、ちょっとスッキリして帰ること。
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アビーの本から読み取れたのは、「自信」と「連帯」は女性にだってあって良いはずなのだということ。
生活の多くが変わったとしても、私たちには還る場所がある。明言はしないし、べっとりした関係ではないけれど、ゆるく繋がれる仲間だとは思う。
当たり前にバレエ用語を言われたら同じ動きができる。プライベートのことは多くは話さなくても、バレエに関してはなんとなく分かり合っている。あまりにも自然で、その自然さが心地いい。
ここに通い続けられること、踊り続けられること。わたしたちの中にある「矜持」になっているのだなと思う。
わたしたちもオオカミなのだ。
「矜持」については思うことが沢山あるので、また次回などに書こう。
<今日もプリエから 17>でした。
▼前回の「今日もプリエから」
20年以上続けてきたバレエのお稽古について、毎週日記を綴ることにしました(エッセイスト・森下典子さんの『好日日記』に憧れて)。バレエについて書くことは、人生について書くこと。