ちゃちゃののほほんらいふ

ちゃちゃののほほんらいふ

本当の心との距離

<今日もプリエから 10>

 

特段変わりもなく、毎週のようにお稽古場に向かった土曜日の朝。入り口のある廊下を歩いている時に気がついた。

 

今日はO先生のレッスンだ。

 

いつもの先生が用事でお休みの日に、O先生は代理として来てくれる。ちゃんとお稽古を持っていただけるのは、私が大学生の時ぶりだと思う。

 

O先生は、ダンサーとして舞台に立ちながら教室で先生もして、少し別の種類の仕事もしている。

 

 

 

ふんわり優しい印象のいつもの先生とは違って、お稽古のペースも説明の仕方もハキハキとしているO先生。「つくること」「表現をすること」について、パッションを持って伝えてくれるのだ。

 

変わらないお稽古に慣れてしまっているとも言える私たちに、新しい風を吹かせてくれる。

 

 

 

主にO先生がつくった2分ほどの「自由創作」のレッスンをした時に、言ってくれた言葉。

 

“自分がいる状況を想像して、踊りで表現しようとすれば、見ている人にはきちんと伝わっていく”

 

 

私は踊りの中で、気持ちや伝えたいことを表現していくのが好き。運動神経はゼロに等しいため、「表現者」の側面がなければダンサーとしての価値はないと自分でも思う(笑)

 

とはいえ、普段は周りの人に本音を言うのが苦手で、恋人にあまりワガママも言えない。それで自分が折れればいいやという雑な解決法ばかり選んで、心の内ではモヤモヤしているような性格なのに。

 

 

周りのことを気にしすぎるクセは、悪い面もいい面もあるけれど。舞台の上でだけは不思議と素直になれたり、伝えたいことを忠実に一番に考えられる気がする。

 

舞台を挟んで、見ている人の間にある距離。それが少しだけ自分を、窮屈さから解いてくれているのかもしれない。

 

週に1度だけでもダンサーとしての自分でいることで、“本当の心”にアクセスできる気がして。自然と自分をあたためているように思う。

 

 

 

 

▼前回の「今日もプリエから」

20年以上続けてきたバレエのお稽古について、毎週日記を綴ることにしました(エッセイスト・森下典子さんの『好日日記』に憧れて)。バレエについて書くことは、人生について書くこと。

 

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