ウラはオモテになりうる
“ 不安と葛藤の自分の四十年を、私はその時「奇跡だ!」と心から思った。 ”
大好きなエッセイで、映画にもなった『日日是好日』の原作者、森下典子さん。電車の中でこのエッセイ記事を読んで、うるっときてしまった。泣いてる目元を、周りの人にバレないようにした。
就職できずアルバイトから始めた仕事。定収入だってなかった。仕事がない時でさえ、あったのかもしれない。不安と葛藤でいっぱいだった40年間は、日々をどんな苦しみと共に過ごしたのか、計り知れない。
苦しいなりの時間を経て、フリーライターになり、本も出したあと、気づくことがあった。
“まがりなりにも筆一本でここまで食べてきた”
……のだと。しかもそれが、奇跡のように感じられる。時が経つことで 、いままでの出来事が“反転”した瞬間だったのだろう。
囲碁だかオセロだかで、とある一手によって、盤上の石の色がガラリと変わってしまうように。
ドミノ倒しのようなスピードで、苦しみばかり生んだ時間こそが、価値のある時間だと気づくことがある、のかもしれない。
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そういえば、映画の『日日是好日』では、黒木華演じる典子が、出版社の社員登用試験?を受ける……みたいな描写ありましたね。
(展開に触れないからネタバレじゃないと見なす)
みんなも、私も、どこかで焦りすぎているのかもしれないね。難しいけど、漂うだけでも良かったりするから。
「若いんだから、絶対どうにかなるんだから、今すぐにどうにかしなきゃなんて、思う必要ないのよ!!!」と電話で言われてしまった、私より。焦りすぎていたのかなあ。
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